2011年04月28日

「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」が出来るまで(後編)

「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」が出来るまで(後編)

気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです [Single, Maxi] / 山口理恵 with manzo (演奏); 山口理恵 (その他); 山口理恵 (演奏); 中野愛子, 松本隆, manzo, 柿島伸次 (その他) (CD - 2011)




先般2月9日に発売されました「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」ですが、今回は前回に引き続き楽曲解説「後編」と致しまして、色々な恥部秘部を暴露して参りたいと思います(OPは詩曲編を担当させていただきました都合で3回に分けましたが、EDは曲編のみなので2回^^)
どこまでポロリすればいいのかいささかの戸惑いもありますが、討ち死に覚悟(大げさだっつーの)で、今回も丸出しがく〜(落胆した顔)にして参りたいと思います。



「manzoは今回、ねちっこく歌ってください」



と、野崎プロデューサー。今回はどういう狙いなんだろうか…怖い('A`)
そもそも僕にマトモにデュエットを歌わせる意図が、犬のマークの音楽工作員野崎Pに最初からある筈はない(笑)






なんの意図だろうか…



僕の大きなセールスポイントは、太ってることと、貧乏なことと変態な事くらいなんだけどなぁ…


何を引き出せばいいのだろう…。やっぱしエロか。エロやかな歌…



変態…



るんるん



そうか!











春先公園に現れる、全裸の上にカーキ系のコートのみ羽織って女性の前に現れ、やおらコートを開き自分の息子自慢をする、所謂「な?おじさん」の精神でいけばいいのかも!




萬「もう、なんか、変態オヤジ、それこそ『な?おじさん』が歌う感じでよろしいんでしょうか?」
野「あぁ、もう山口理恵ちゃんにセク○ラする勢いでいいですよ」






よかった正解だったようだ。よかったのか…?んまいいや。




なるほど、もしかすると、このシチュエーションとデュエットの男性側のあり方は、かの迷曲「ピエールとカトリーヌ」のキッチュ(現:松尾貴史氏)さんに近づければ良いのかもしれん。
http://www.youtube.com/watch?v=IQrl72SvVRs

うーむ、、、フレンチテイストの楽曲と、エロティシズムの親和性たるや、アニメのEDとして考えた場合・・・いささかキワドイねぇ(笑)
フランス語の語感なんだろうか。ミシェル・ルグランの「シェルブールの雨傘」を初めて聞いたときのエロやかさは衝撃的だったし。歌詞の意味はわからないのに、すごく「濡れて」聞こえたものだ。
http://www.youtube.com/watch?v=17A0fN8NJi0




してみると、このままジャジーなアレンジで、山口理恵ちゃんが歌うというのもなぁ・・・
そこで、若干ソフトにする方法として思いついたのが、8bit風のアレンジだった。その着想の元となったのが、




象印クイズ「ヒントでピント」OP






だった。



この曲、僕が作曲技法を覚えるのに目を皿のようにして読んだ本の著作者(タイトル失念('A`))、前田憲男氏の作品。2'52''辺りから。
http://www.youtube.com/watch?v=1CkfR-Z9DIw&feature=related

wikipediaによると、氏が、当時登場したRoland System-700というシンセサイザーを使用してこの曲のトラックを作成したようだ。もともと氏はビッグバンドに所属していたこともあり、管弦のアレンジがクラシック・ジャズテイスト問わずダイナミックで、僕は大好きなんです。
これとか。
「クラッシャージョウのテーマ」
http://www.youtube.com/watch?v=yldWRyfS2hA


音色を変えることによって、重厚な和声を可愛く聞こえさせたりする手法は、YMCKさんなども率先してやられてますね。8bitの持つ音色のチープさが、時としていかついジャズ和声を和らげる。


かようにして、「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」は、オシャレ風味だけど可愛い風に仕上あがった(つもり)のです。






また、当シングル、カップリング曲「君がくれた飴」は、山口理恵ちゃん本人が作詞を担当してます。往年の荒井(現:松任谷)由実さん・尾崎亜美さん風の初々しく懐かしいテイストです。僕自身この曲の作編曲を担当させていただいております。

こちらは、野崎プロデューサーが提示されたコンセプト「片思い」から派生した、ラブソング。21世紀のニューミュージックの方向がいいですよね、氏とご相談させていただいて仕上げたものです。

そしてもう1曲は、最近公私共々懇意にさせていただいている柿島伸次さんによる編曲で、往年の名曲「卒業」を理恵ちゃんが歌っております。リアルタイムで原曲を聞いていた方も、初めて聞く方も、ドキっとすること請け合い。



併せてお召し上がりいただければ幸甚です。




というわけで、OP編3回、ED編2回にわたってお送り致しました僕自身による楽曲解説は、以上を持ちまして終了にしたいと思います。




長文・駄文ご精読ありがとうございました。










あ。
思い出した。



何通か「譜面、コード譜とかないんですか?」というご要望がありましたので、折を見てコード譜をここに載せましょうかね(楽譜は版権上、掲載許諾が必要なのでやめておきます。ごめんちゃい)。









てなわけで、OP,ED両曲とも携わらせていただいたアニメ「これはゾンビですか?」ですが、本編・及び劇伴も手だれのスタッフ陣が心血を注いだオバカ・SF・アクションホラー!僕も笑って泣いて、楽しませていただきました。

アニメDVD、ラジオドラマCD、サントラCDなどなど、関連商品が上を下への大騒ぎとなっております。ご興味のある方は是非ともバカ騒ぎに参戦してみてくださいね!

posted by manzo at 14:49| ドバイ | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月20日

「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」が出来るまで(前編)

「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」が出来るまで(前編)


約1ヶ月間、当ブログは東日本大震災にまつわる諸般の事情を鑑み、自粛しておりました。
僕自身、ライフラインが整って初めて希求される娯楽産業に身を置くものとして、精神的にも根底を見つめなおす厳粛な機会と、期せずして成りました。
様々に身を引き締め、改めて粛々と生きる意味を自分に問うて。

今回、謹んで、そして、今出来る範囲で、ほっこりやまったりをご提供できればと思い
またぞろ再開いたしました。今後ともお付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。


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気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです [Single, Maxi] / 山口理恵 with manzo (演奏); 山口理恵 (その他); 山口理恵 (演奏); 中野愛子, 松本隆, manzo, 柿島伸次 (その他) (CD - 2011)


前回好評のうちに(?)終了した「魔・カ・セ・テtonight」が出来るまででしたが、
当ブログではおなじみフライングドッグ野崎プロデューサーから「エンディングの
解説もやって欲しいなぁ」という熱烈なリクエストもあり、また今回ご紹介する曲
を一緒に歌っている山口理恵ちゃんからも「OPはやってEDの紹介はしないんですか?」
ジェラシー混じりに言われそうな向きもあるので(笑)
今回は僕が作編曲、そしてちょっとだけ歌も歌っているアニメ「これはゾンビですか?」
EDテーマ「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」が出来るまでと称しまして、
楽曲の生い立ちをご案内していこうかと思います。





昨年初秋、同アニメOPテーマ「魔・カ・セ・テtonight」のお話を頂いたとき、
くだんの野崎Pはもう一つの事案を画策していたのだ。


野崎P「エンディングは君に『も』歌ってもらいたいんだよね」

萬「と、仰いますと…?」

野崎P「山口理恵ちゃんとデュエットをしたら面白いかなぁと思っててね」


デュエット。



え?



当初の電話会議で、可愛いのと脂っこいのをやろうと、ある程度のガイドラインを
見据えて、可愛い(フレンチ)のと、脂っこい(ムード歌謡)のとの2本で攻めてみた。
野崎Pも「両方とも会議に掛けてみましょう」という事に。


僕及び周囲の下馬評はムード歌謡の方が採用される風一色だったが蓋を開けてみたら
アニハカランヤ結果はその逆で、フレンチ系の方が採用されることに。
(ちなみにムード歌謡のほうの仮タイトルは「死んでもLovers」(詩:中野愛子)。
これが陽の目を見ないのは残念。だが仕方ない(笑))




そもそもなんでフレンチポップ風味をやろう!と思ったかというと、
山口理恵さんという人を僕が最初に見た印象というのが非常にコケティッシュだったんですね。
奥ゆかしさと、内にある愛情・可憐というのが、昨今の「萌え」的な風合いと違う、何かこう
、どこにも籍を置かない、無所属なエロティシズムを感じたんですよね。
単に僕とのジェネレーションギャップという話もあるかもしれませんが(^^;




15年程もあるそのジェネレーションギャップの「温度差」みたいなものを、
楽曲に昇華させられると、面白いものが出来るのではないかと思っていた。





中野愛子ちゃんからも素敵な歌詞が上がってきて、さぁ歌REC当日です。





先に女性パートを歌い終えた山口理恵ちゃんからバトンを受け、
いざ歌いに参りましょう!と思った矢先、くだんの野崎Pから





「manzoは今回、ネチっこく歌ってみてください」





と。







次回、そのセクハラ歌唱法の謎に迫ります!(笑)



posted by manzo at 17:45| ドバイ 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする