2011年03月11日

「魔・カ・セ・テ Tonight」が出来るまで(3)

魔・カ・セ・テ Tonight [Single, Maxi] / 野水いおり (演奏); manzo, 中野愛子, 知野芳彦 (その他) (CD - 2011)


さて、今回もフライングドッグさんから好評発売中の「魔・カ・セ・テTonight」の楽曲誕生秘話、その(3)、最終章であります。



アレンジ作業は、今回は楽であった。
僕は楽曲発注を頂く場合、たいがいプリプロ(ある程度曲の世界観がわかるまでの編曲及び楽器シュミレート)まで作って出していく。今回はアニメOP用のお話だったので差し当たり90秒サイズの音源を作成した。

で、曲提出の時に「オケもこんな感じでOK」とのコメントを頂いたので、つまり改めて編曲作業に入るというよりは、フルサイズの構成をどうしようかとか、野水さんの歌を聞いて最終的に楽曲のキーをどうするか、そんなところだけだったかな。今回は安産だわね。


と油断していたのもつかの間。




フライングドッグ佐藤ディレクター(多分当ブログ初登場!)がここで僕にオーダーをしてきた。




「フルサイズアレンジのご相談なんですけどぉ〜、あのぉ〜、manzoさんが作る大サビ、聞いてみたいなぁ〜!なんて。さらにどんな素晴らしいメロが来るのかなぁ〜!なんて」

(註:大サビ→「ブリッジ」って言う言い回しもある)



なんだよその「萬ちゃぁ〜ん、今日リッチなんでしょぉ?フルーツ盛り合わせなんかぁ食べたいなぁ〜ん黒ハート
って言って来る、郊外の私鉄沿線駅前スナックのおねーちゃんみたいな言い回しは。


彼は僕よりも6つほど年下であるが、テキパキと動く人である。
メガネを外すと小倉優子ちゃんに似ている。


言ってみれば僕は、


ゆうこりんにおねだりされた」


ようなものなのだ。




悪い気がするわけがない。





僕は普段ブリッジを好んで作るほうではないが(必要ならば勿論書くけどね)、ゆうこりんにロートル作曲家の意地を見せたくなって、1日で書き足した。






四ツ谷サウンドバレイで野水さんのレコーディングが執り行われたのだが、
つまりゆうこりん、もとい(笑)佐藤さんと僕でボーカルRECは進められた。


野水さん、最初こそ緊張してたけど、どんどんと彼女自身が世界観を掴んでくれてね、
さすがは役者さんだよね、詩のコンテキストを理解するのが早いし的確だった。

そこからの彼女は違ってた。
ブース越しに見える彼女からは、いつもの様な「犬歯に毒持つ小動物」(笑)ではなく、空を切る眼差しで、凛とした滾る心の「歌手」だった。いや歌手というより「戦士」という緊迫感さえ漂っていた。

だから、僕と佐藤さんがお互いに徹したことは、「歌を100℃以上にはしない」ことだった。歌の感情移入って、沸騰しない程度がいいんだよ。

熱すぎるとが味がわかんないどころか、ヤケドして舌がバカになる。
日本茶みたいなもんでさ、あんまし熱くしちゃうと甘みが飛んじゃうんだよね。
(これは大役萬のREC時に学んだ教訓)



そうして、あの「かっこカワイイ歌」が出来たのですよ。


乙女の皮衣をまとった戦士の、愛すべきものを手にするための計略。
色香や麗句、いや時として素肌をも武器にして、相手を降伏させる。
その容姿が愛らしければ愛らしいほど、月夜に唇が妖艶に光る。
そのナイフで、隙をついて、スキを突く。








初めて詩曲編で女性に楽曲を提供させて頂きました「魔・カ・セ・テTonight」は、こんな風にして、出来ました。そして「野水いおり」ちゃんのデビューシングルという、責任重大な案件でしたが、とことんまで楽しいモノを作ろう!と頑張ったつもりです。



以上をもちまして、3回にわたってお送りしました「「魔・カ・セ・テTonight」が出来るまで」ですが、これにて終了です!




最後に。




この機会を与えてくださった関係者の皆々様に改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございました。


manzo

posted by manzo at 04:47| ドバイ | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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